自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

マタタビそば笊作り

 

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材料のヒゴ作りに続き、マタタビ第1弾としてそば笊を作りました。

マタタビの特性として、水分を含むと膨張するため、

そばを盛ったときに水が漏れにくいそうです。

(あ、もちろん水切りはした後、お膳に乗せるときの盛り笊としての

利用です。)

 

 

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中心の二つ跳び網代編み。14本×14本で編んでいます。

山ぶどうバッグと同じ編み方です。

 

 

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ここで注意!

マタタビでは、2本の材料を「1本」と言うみたいなのです。

「1本跳んで1本掬う」と説明いただきながら作っているのですが、

「ええぇ~??でも2本持ってるよね~???」と言うような問答が

何度も繰り返され、やっとこの法則が理解できましたwww

 

そう、ご指導いただく工人さんたちは、言葉で教えるというより

見て学べ系なので、色々謎が残るところもあるのですが(笑)、

それも含めて技を真似て盗んでいくことが必要です。

 

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底面ができたら、ゆるーーーい笊編みで立ち上げをしていきます。

少しづつカーブをつけて、円型になるように縦ヒゴを広げていきます。

 

 

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今回は直径21㎝。

そこに縁となる「クマゴヅル」(クマヤナギ)を巻いていきます。

 

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クマゴヅルは蔓がずっと均一な太さで伸び、弾力があって

曲げて使うには丈夫で勝手が効くため、縁材として使っているそうです。

このクマゴヅルは採取時期がなく、1年中見つけたらいつでも採取して

縁材として使用する長さに切って乾燥する前に円型に巻いて保管ができます。

クマゴヅルの他には、バラとかクロモジも縁材として使えるようです。

 

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マタタビ採取と合わせてクマゴヅル採取にも行ってきました。

クマゴヅルは木に沿って上に伸びる蔓なので、

高ーーーい梯子を持って採りに行きました。

 

 

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ガサガサ、バキバキ、ザクザク・・・

みんなで芦や葦や笹を分け入って、クマゴヅルを探して山の中を探検。

何が出てくるか、何と出逢えるかわからないドキドキワクワク感が、

たまらなく楽しいです。もう山、大好き!

 

 

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薄く作ったヒゴは弾力があり、強く引っ張って隙間を締めていくのですが、

これがまた、なかなか、、、力のいる作業なのです。

 

 

 

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こうして写真で、キレイに模様が出てるゎ~と喜んでいても、

実はかなり隙間が空いています。。。

そばは長い麺だから漏れることはないけど、(水が切れるという点では、

ある程度隙間が空いてた方がいいのでは…?)

これから続く米研ぎ笊に向けて、この隙間は大きな課題です。

 

うーーーーん。

作業時間的には、ヒロロや山ぶどうと比べると一番早くかたちになります。

が、しかし。むむむ。

これは奥が深いぞ。。

なんだか一番ごまかしが効かない、素直さが必要な編み組細工の予感です。。

 

 

四ツ目笊、米研ぎ笊に続く。

 

 

 

 

 

 

マタタビ笊ヒゴ作り

先日採取してきたマタタビを使い、笊づくりが始まりました。

今回カリキュラムで挑戦するのは、そば笊、四ツ目笊、米とぎ笊です。

 

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教えていただくのは、伝統工芸士 目黒政榮さん、五十嵐光栄さん。

おふたりは同じ集落で、同じマタタビ細工の伝統工芸士ということもあり、

一緒に行動をすることが多く、いつもニコイチでいるような印象があります。

 

このおふたり、大好き!

キャラは全然違いますが、おふたり(恐れ多くも)ともとても、とても

愛らしいのです!!

 

 

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目黒政榮さん

 

NHK BSプレミアム「イッピン」で紹介されたこともあり、

ファンが多い伝統工芸士さんです。

寡黙で口数が少なく、黙々と、黙々と作品と向き合うザ・ジェントルマンです。

クールな中に、言葉では語られない優しさに包まれた最強のイケメン。

 

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 五十嵐光栄さん

いつも光栄時間が流れていて、光栄ワールドが広がっていて、

光栄ペースで歩んでいる、光栄さんにしか生み出せない空気とリズムと作品。

こんなに相手を穏やかに、笑顔に、緩めることができる人は、

貴重なのではないかなぁ。


またまた偉大な方々からご指導をいただき、材料作りに取り組みました。

マタタビは他の編み組細工と異なり、蔓に水が上がった新鮮な状態でないと

皮を剥いて削っていくことができないため、採取してきたら

すぐにヒゴの制作を始めます。

 

 

まずは茶色と緑色の外皮を削り落としていきます。

 

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先生の剥いだ皮。

 

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私が剥いだ皮。


あれ?削りかすの様子が、、全然違う(笑)

そうなのです、まず外皮を一枚で剥けない。

刃の当て方、力の加減により、残した皮には傷が付いちゃうし、

一枚で削れないから何度も刃を当ててボロボロボロボロ無駄な削りかす

ばかりが山のようになりました。。。

 

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あ、なんだか猫を狂わすマタタビフェロモンみたいなものを感じる。

青臭い植物の香りの中に、なんと表現すればいいのか、独特な刺激的な

匂いが漂ってきます。

これに酔わされる感じ、なんだかわかるような気がする。。

削りかすを乾かして、猫ちゃんの遊び道具のボールを作ったりしています。

これは色々猫グッズとして遊べそうだぞ♪

三島町の人は、この削ったマタタビの香りが漂い始めると、

冬と雪の到来を感じるそうです。

みんながマタタビ細工を始める、シーズン到来の香りなのですね~。

 

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外皮を剥くと、白い肌が姿を現します。

その状態の蔓に、十字の割き機を押し当てて四等分に割きます。

コツは、常に蔓の中心に当てて、蔓を支える手で少しずつ押しながら割くと

均等に割くことができます。この作業がキレイにできないとヒゴの

幅がバラバラになってしまいます。

これがなかなか難しい。割り機が真っすぐ進められないのです。

 

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4つに割いたマタタビを、ナイフで削りながら厚さを揃えていきます。

表皮の内側に着いたわたの部分を落とし、

ヒゴ厚さ0.5㎜ないくらいまで均等な厚さに削ります。

ヒゴに刃を当てて、1m~2mの長いマタタビを左手で勢いよく引いていく作業で

左手がおかしくなる…これにて腱鞘炎悪化(笑)

 

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こんなに薄くていいんだ?!というくらい薄くした方が、

軽くてしなやかで編みやすいです。

 

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厚さを揃えたら、今度は全部のヒゴを同じ幅に揃えていきます。

作る籠によって、2㎜~6㎜くらいまでのサイズがあり、

今回はそば笊から始めるので、4㎜に合わせていらない部分を落としていきました。

 

ふ~~~。。。

そば笊一枚作るために、長短合わせて大体45本ほどのヒゴを用意しました。

山ぶどうやクルミと同じく、材料用意で全体の7割。

工人さんたちの多くは、今の時期に山からマタタビを採取し、

一気にまとめてヒゴ制作をして、雪に閉ざされるこれからの時期に

集中して笊作りに取り組みます。

(そのため、人気の米研ぎ笊などを求めて生活工芸館にいらっしゃる方は、

雪が深い時期に商品が増えるこれからのご来館をおススメします。)

 

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作業途中のお弁当。みんなで車座になって作業し、一緒にお昼を囲みながら

おしゃべりするのも楽しいひととき。

 

さて、材料がなんとかできたら、いよいよ笊を編み始めます。

幸せをいっぱい掬える、ステキな笊を作るぞーーーー!

 

 

 

 

冬支度

 

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浅岐は霜が降りる日も多くなり、いよいよ冬の気配を感じます。

最近一気に寒さが深まり、雪が降るまでのカウントダウン。

6時くらいに外に出ると、地面が真っ白。く~空気が冷たくて張りつめてるよ~。

 

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まだ土の中に里芋さんが残ったままだ!寒そう!

朝からテンション上がって芋掘りをしてしまいました。

日曜日には雪予報が出ているので、町中が畑の整理に追われています。

来春に向けてちゃんと土をうねって、4か月ほど畑も雪の中で冬眠。

 

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夏のキュウリ、冬のダイコン。

この時期はどこの家でも大量のダイコンが採られ、交換会が繰り広げられます。

お鍋に欠かせない大根も白菜も、雪が降る前に全部抜いて

冬の間の大切な食料として保管します。

 

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晩秋の陽射しの下で日光浴。
ピリッと冷たい風と、ぽかぽかのおひさまが気持ちいいなぁ。

 

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お豆もえごまも、干されて保管の準備です。かわいいねぇ。

 

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脱穀した籾をじっくり灰にして、稲刈りが終わった畑に播いて

来年の肥料にします。ゆっくりじんわり中から火が通るので、

これに突っ込んだ焼き芋は美味しいのだ♪

 

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少し前まで、三島町全体が温かい暖色に包まれていました。

長い深い雪に覆われるからか、雪に閉ざされる前に、山が冬眠前の

大演奏会でもしているような賑やかな華々しさです。

 

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春の百花繚乱の三島も素敵だし、緑に燃え立つ初夏の三島も素敵だし、

キルト絨毯のように色づく紅葉の三島も大好きだーーー。

 

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生活工芸館前の楢林。落ち葉の絨毯と秋の陽射しがキレイ。

冬の工作に向けてどんぐりたくさん拾っちゃいました♪

 

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紅葉の彩りに負けないくらい華やかに咲き誇るざる菊。

名入集落のみなさまが細やかに面倒を見て、大切に咲かせてくれた

夢のようなお花畑です。元気でるなぁ。

 

 

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枝がしなるくらいたわわに実った柿が、干し柿になってました。

会津ではみしらず柿が有名です。渋柿を焼酎漬けした、甘くてとろんとした

美味しい柿です。

 

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あ、干し柿にするのは渋柿の方ね。

ちなみに干し柿は、縄綯いした稲わらの、綯った縄同士の間にヘタから出た

T字の枝先をぶっ挿して吊るしていくのが昔むかしからのやり方です。

 

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裏の山にきのこ採りに行ってきました。

天然なめこなんて初めて見たーー。でっかい!

すんごい収穫だ♪贅沢~。

 

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今年は山のきのこが全体的に不作だったようで、毎年1000本以上マツタケ

採っているようなご近所さんたちも、例年の10分の1くらいしか

採れなかったという声をよく聴きました。

上だけを見て登らないと参っちゃうような急斜面の探検でしたが、

こんなに収穫物があるともうウキウキワクワクしちゃって探すのに

夢中になります。(こうやって迷子になったり、熊に襲われる…)

ここにもあった!あそこにもあった!

もう、もう、もう、山の中が楽しくてしょうがない♪

 

 

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豪雪に向けて、お家の周りを雪囲いします。

昔は葦を編んだものを家の周りに張り巡らしていたようですが、

今では木の板やプラスチック板等で組むようです。

雪囲いをしないと、雪の重さで窓が割れてしまうそうです。

お隣さんの雪囲い(写真)が秘密基地みたいに強そう。。

 

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私の寝床にも電気毛布を設置しました。

電気毛布って知ってます?

豪雪極寒の三島町に来るにあたりの必需品として、購入しました。

これスゴイのよ~。寝る前のお布団が暖められるの。

 

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さてさて、いよいよ三島町本番の雪の時期が来るぞ~。

どんな冬になるのか、ワクワクが止まらない!!

 

 

 

新そば祭り

 

 東西 東西(とざい とーーーざいーーーーーーー)

 

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会津の伝統で、婚礼などのめでたい席で「そば口上」

(上記はその出だし掛け声)と言う、そばの成長過程や育つ土地、

そばの食べ方、薬味をたくさん盛り込んだ味付けの説明等、

そばを楽しむためのあれこれを唄った音頭があります。

 

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招待側がお客様に対して、来場の感謝と時を共有できる喜び、

今年の美味しいそばへの感謝を込めて、そばを両手で高く上げ

そば口上を唱えながら会場内を練り歩きます。

美味しいそばを楽しんでいるお客さんの雰囲気も一気に盛り上がり、

会場内がぐぐっと一体化する高揚感がたまらなく気持ちいい!

大地から、自然からの恵みをこんなにたくさんの人と

分かち合える幸せって、秋の収穫期の最高の楽しみです♪

 

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盛り付け場は戦場。働き者でキレッキレのお母さんたちが手腕を振るいます。


三島町高齢者の中には、そばは戦時前後の食糧事情が安定しないとき、

米の代わりに色々なものを混ぜて食べ、今よりもっと強いそばの香りと、

(ちょっと疑問なのだが、これって今では香り高いそばってことなのかな?)

ぼそぼそとした触感から、あまり好きではなく、

お金を出してまで食べたくないと言う方も結構いたりします。

 

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しかし、大谷の10割そばの繊細なこと。

ざるそば、けんちんそば、高遠そば(大根おろしとその大根汁)の

3種類を食べ放題で提供します。

こんな10割そば食べたことない。これ本当に10割?

つなぎは何も入っていないはずなのに、

絶妙なコシとつるんとしたのど越し。

粒子が細かいようで、かなり弾力のある滑らかで香ばしいお蕎麦。

あぁぁ、幸せ。

 

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 そば付け合わせの天ぷらを揚げ続ける大谷のおおばあさまたち。

 

午前午後で200人分の前売り券は完売。

浅岐のお隣の大谷集落で開催され、毎年遠方からもたくさんの人で

にぎわう一大イベントです。

今回アカデミー生4人でお手伝いに入らせていただきました。

 

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大谷の町民センターで開催するのですが、そのクオリティの高さに感動です。

集落の方が集まって、200人分のそばを打って、茹でて、盛り付けて、配膳する。

小さな集落ないでこんなにそば打てる人がいるのが、すごい(笑)

味も盛り付けもサービスも、大繁盛しているお蕎麦屋さんレベルでびっくり。

 

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今年で15回目と言うこともあり、みなさまのこだわりと作業の熟練度は

プロさながら。

茹で時間を感覚で調整しているのに尊敬。

 

 

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ちなみに私は外で会津地鶏の焼き鳥販売担当でした。

一度やってみたかった夢の炭火焼き鳥やさんは、

美味しいの焼き加減が難しい。。

 

 

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別会場のお寺では、書家の先生により無料で揮毫をしていただけたので、

座右の銘である「中庸」を書いていただけました。

その際に、「まだちょっと早いかな。ここに至るには、もっと山谷乗り越えて、

とんでもないことを繰り返した結果としてやっとここに落ち着けるのだから、

初めからここを目指すのではなく、もっと冒険を楽しむといい。」

というようなアドバイスをいただきました。

 

 

いい加減で、良い加減

 

 

臆病で、ちょっと猛進してしまいがちな自分には、ほどよく力を抜いて、

程よく歩む、ニュートラルで平穏な状態を心掛けることを大切にしたいと思います。

 

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満腹で幸せな秋のお味でした~♪

 

 

 

民間療法

さて、先日採取したマタタビの細工が始まりました。

作業詳細については別途報告しますが、畑仕事やら編み組細工により、

今まで使わなかった手の筋肉が連日フル稼働していて、6月くらいから

ずっと右手の腱鞘炎が止まらない(笑)

 

そして、最近更に悪化へ辿っているのです。。。

マタタビの枝を割ってヒゴを削っていく作業で、本当に手が悲鳴を上げています。

まだ具合がわからなくて、無駄なところに力が入っていることもあると思いますが、

最近は朝起きると(寒さのせいもあるのかな?)手がバッキバキ、パンパンです。

 

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この間三島町に来た両親に、手が、特に指が逞しくなったと言われました。

自分でも、指が太くなって、なんだか手がごつごつ丸くなってきたと

感じているのです。きゃーーーー。

指先はカサカサピキピキ割れてくるし、工具を滑らしたり素材で切った

生傷が絶えない手。

なんだか不思議。

1年前までは細めのリングが好きで、指にも爪にも手入れを欠かさず、

(がんばって)9㎝ピンヒール履いて、コンサバ系の洋服を身に纏って

OLしてたんだよなぁ…

 

 

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そして、腱鞘炎の治療に(町長に)紹介されたのが、熊の油。

早速浅岐のご近所さんに、「熊の油が効くって聞いたんですよ~」って呟くと、

「あるぞ~」と出てくるのがこの浅岐の宝。

 

もっと獣臭い生臭いのかと思いましたが、意外といける。

無色透明で、ちょっときつい油臭がする感じかな。

内臓の油を1回熱して溶かしたものを濾したとか。

肉油は固まるけど、これは何度でも固まることがないそうです。

切り傷にはてき面、なんにでも効く万能薬らしい。

三島町のたくさんの人がそういうから、きっとそうなんだろうなぁ。

これからしばらくこれを塗って寝ることにしてみます。

 

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そういえば、熊ちゃんの胆嚢も二日酔いや胃もたれに効くみたい。

この前の熊さんからも回収していたなぁ。。。

 

 

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もうひとつ。ブスの実を漬けたお酢。

(これはまだ漬けたばかりだけど、時間が経つと紫色の色素が沈殿してくるので、

それを濾して塗るようです。)

 

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ブスの実は、ネコノメとか野ブドウとか別名がたくさんあるみたい。

三島の山ではどこででも見られ、9月くらいからキレイな紫色に色づきます。

これを焼酎やお酢に漬けたものが、ガンの治療薬に効くとかで

高値で売られていたりします。

ちなみに、実は食べても全然おいしくなかった。

これを塗ると、痙攣や打ち身がなくなるとか。

秘密の薬って紹介いただきました。

 


すごいよね~。

以前報告しました植物療法とか、こじゃれた感あるセラピーっぽい

印象がありましたが、この山の中では昔から、山の要素から健康、滋養を

自給する方法を編み出していたのですよ!

しかもお医者様からお薬を処方される現在も、それと並行して

自分たちで作って使っているのです。

ものによっては市販の薬よりはるかに効果が良いものもある様子だし。

 

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山の中で出逢った蝮さま。

顔を総攻撃して大きな石まで乗っけたのに不死身で、

延々とムクムク動き続ける生命力はきっとかなりの効果がありそうです。

 


自然の素材が人を救って助けることも、

それを見つける人の生きる知恵も、自然と人がひとつの世界で

生きていることの必然性を感じずにはいられません。

すごーーく原始的なようで、ものすごーーく先進的な、

三島町の暮らしって最高に面白い!!!

 


連日休みなく続く編み組の日々ですが、

熊油の効果と腱鞘炎の経過についてまた報告しまーす。

この痛みから解放されたい。。治るといいな~~(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マタタビ採取

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猫ちゃんが大好きなマタタビ

編み組細工の次なる分野のマタタビ細工に入るため、材料採取に向かいました。

すごくいい天気で、色づいた葉が大合奏をしているような賑やかな山の景色に、

山に入るだけでもうワクワクが止まりません♪

 

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わたくしマタタビで笊や籠ができるなんて、三島町の編み組細工と

出逢うまで知りませんでした。

よくお目にかかるのはすべて竹だと思ってた。

たぶん編み組細工の中で今一番人気なのが、マタタビで作った米とぎ笊、

四ツ目笊、そば笊で、生活工芸館でも常に売り切れ状態、

人気の工人さんたちの作品は半年や一年待ちとなっている注目の品です。

 

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こういう笊とか籠ってときめきませんか?

三島町では、本当にどこの家の生活にも、こんなマタタビの笊や籠が

溢れています。もちろんほぼ手作り。


現在の生活の中でも当たり前のように使用されているのです。

収獲した野菜を洗うのに、茹でたそばやうどんの水切りに、

えごまやそばをふるいにかけたり…生活の中のいたる所で、

その用途のために作ったような、大きさも形もそれぞれのマタタビ細工が

登場します。

 

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マタタビって猫が好きなやつでしょ?

・・・でも、実はどんな植物かよくわからない人が多いような気がします。


水気が多く陽があまり当たらない北向きの斜面に多く生息し、

三島町では10月下旬~雪が降る直前くらいまで(11月下旬?)が採取時期です。

秋が深まり、葉が完全に落葉した頃が良い時期とのこと。

山ぶどう、ヒロロ、アカソなどの中では一番材料採取時期も長く、

割合道路に近いところにもいるので生息環境や場所も親切な、優しい存在です。

 

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ただ、この時期葉が黄色っぽく紅葉しているのですが、落葉してしまうと

どれがマタタビかを見つけるのが大変。

この奥の木に沿って伸びている蔓がマタタビなのですが、

正直木肌や葉の様子で見分けるのが難しかった。

これマタタビ?は、大体野からむしでした。

 

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マタタビは7月頃に、葉の半分が白くなります。

三島町の工人さんたちは、この時期の葉の色でマタタビがどこにあるのかを

確認しているそうです。

この葉の白、夏場の緑の中でとても目を引くのです。

ちょっと遠くの山斜面にも、風でなびくマタタビの白い葉の姿を

よく見ることができました。

 

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 根元の親木から枝分かれして伸びる1年目の枝を、来年以降の成長のためにも

二芽ほど残したところから剪定ばさみで切り取ります。

理想的な枝の太さは直径1㎝ほど。なるべく長く採れると、作れる笊の幅が

広がります。この蔓から皮を剥いて材料として使います。

 

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足場は落ち葉でふかふかつるつるの結構急な斜面から採取し、

1m~2mの蔓を何本も抱えて山を登る(もしくは下る)のは結構大変です。

 

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大体ひとつの米とぎ笊を使うのに使用するのは、マタタビ10本、

ロスも含めて1㎏くらい。

この日の目標はひとり6㎏でした。→無事収穫♪

 

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採取後は、材料が乾燥する前に表皮を剥がして使うので、

根元を水に浸けて保管します。

だ か ら 、後処理がない!

山ぶどう、ヒロロ、モワダ、アカソの処理と比べて、なんと楽なのでしょう。

 

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マタタビを採取する際には、真っすぐの素材となるよう翌年以降の成長を

見込んで、曲がったものや古い枝はなるべく剪定するようにします。

やっぱり毎年取り続けているとどんどん細くなっちゃうし、

剪定をしてあげないと蔓がからまってわさわさ生い茂ってしまう。

こちらの都合で採ってしまうだけではなく、ちゃんと来年以降のマタタビ

ことを考えて、大切に面倒を見てあげてもいるのですね。

 

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ぽかぽか陽気と眩しい紅葉、みんなで青空のもとランチピクニック♪

たくさんマタタビも採れて気分もホクホク^^

なんて素敵な日なんだろう!!

 

 

 

 

 

漆麗し

会津若松にて開催されていた、会津ブランドものづくりフェア

行ってきました。

その中のひとつ伝統工芸フェアには、日頃アカデミーの先生として

お世話になっている三島町編み組細工の伝統工芸士さんたちの紹介

ブースもあり、自分ではないのに、なんだか、勝手に鼻高々(笑)

えへんっっっ

 

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それにしても、改めて、こんなにすんごい方々に、直々に伝統の技を

教えていただいているということ、身が引き締まります。

こんなにも一流の技を持つ大先生方が、人間的にも技術的にもまだまだ

未熟な自分に真剣に向き合ってご指導いただいていること、

その想いに応えられるような作品が作れるように、一目一目丁寧に、

精いっぱい編み組んでいこうと思います。

 

 

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会津編み組細工、会津塗、会津本郷焼会津絵ろうそく、会津木綿、

赤べこ、起き上がり小法師・・・

会津って実はすごくたくさんの民芸品があるのです!

 

 

 

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先日三島町栃の木伐倒を見学させていただきました。

栃の木は水分量や木の性格から、お椀や彫り物に使われることが多いそうです。

今回フェアの一環で、会津若松まちなかのものづくりツアーで、

伝統工芸に指定されている会津塗に携わる伝統工芸士さんの

工房を見学させていただきました。

素材となる栃を山から切り倒す工程を体験してからのこの展開、

やっぱり暮らしの中で手にする「もの」が秘める物語って、最高に面白い!!

 

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まずお邪魔させていただいたのが、木を轆轤でお盆、お椀、茶托、お皿、

コップなど丸いかたちに削っていく木地師さんの長谷川木工所

 

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こちらの特徴は、成型していく際に轆轤に着ける刃のかたちだそうです。

すべてこの工房で職人さんたちが鉄を打って手作りしているそうで、

その種類はものすごい数が掛かっておりました。

 

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大鋸屑に埋もれそうになりながら作業をしている職人さんたちの手元からは、

次から次に均一な真ん丸の茶托?が削り出されていきます。

木地の厚さとか、高台の大きさとか、椀の曲面とか、ほんのちょっとの

調整をすべて手の加減でしているのですよ!

電動轆轤で勝手に回っているのだから、刃を充てる力加減をちょっと変えると

一気に木はシュルシュル削られてっちゃう。削ったらもう戻らない。

同じものが、生まれてくることが、スゴイ。これが職人なのだ…

 

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こちらでできたボディの木地に、漆で色を塗ってお化粧するのが

塗師さんです。お次は、伝統工芸士吉井信公さんの工房に行きました。

中学卒業後から、64年間漆に携わっているそうです。

 

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会津塗代表の、虫が葉を食べた後のような様子をした「金虫喰い塗」を

見せていただきました。

 

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漆を塗って、麦を貼り付けて、別の漆を重ねて、乾かして、削って、

また漆を塗ってを繰り返し、ひとつの作品ができるのに、

48工程1か月ほど掛かります。

 

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先ほど木地師さんが削っていた無垢の木に、

どんだけ厚化粧なの?!ってくらい、何度も何度も何色も何種類の

漆が重ねられては削られて、すごくゴージャスな姿に変身しちゃいます。

 

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漆を塗る筆は女の人の人毛なんだって!へ~。

 

そして、最後に、漆器に金銀プラチナ等の金属をのせていく蒔絵師さん。

伝統工芸士川俣博さんの工房です。

 

もう、もう、もう、もう!!!!

とてつもなく繊細で、緻密で、とんでもなく美しいのです!!

 

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アカデミーで習っている編み組細工は、自然から採ってきた素材の

荒々しさ、逞しさ、武骨さ、野性味が残る大胆な力強さが立ち上がる姿が魅力です。

それに対し、なんと言いましょうこの高貴さ。

手に取ることを躊躇してしまう、自分が手に取ることが許される身なのかを

問うてしまうような、圧倒的な貫禄を放っているのです。

 

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猫やカヤネズミの毛を使った、数ミリの細さの筆で、

人の手で描くとは思えないほどの線を引いて、そこに箔を落としていきます。

緻密な作業はとてつもない集中力を必要とするようで、

電話や来客のない朝5時~9時の時間に作業をするとのことです。

 

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蒔絵のイメージであるような時代ものや絵巻ものは、

徹底的に歴史研究や時代研究をしたうえで描くそうですが、

それ以上に動物や風景などの実写は難しいそうです。

いかに本物らしく忠実に描くか、線一本数ミリの陰影に神経を注ぎ込んで

完成した作品は、川俣さんのいのちの結晶のようで、

きっとその生命力に圧倒されたのだと思います。

 

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1本の漆の木から採れる樹液は200gほど。

 

今まで漆って、実は暮らしの中に取り入れるのに少し距離を感じている

ものでもありました。

どうしても古風になりすぎて、モダンに、オシャレに使いこなせないって言うか。

(私のセンスの至らなさなのですが…)

でも、抗菌性が高くて、湿気が高いほどよく乾き、粘着力が強くて

塗面が丈夫って、まさに日本の暮らしに最適な塗料素材だよね。

 

中学?高校?生のとき、谷崎潤一郎陰翳礼讃の一節にあった、

暗い電灯の下、漆椀の中で揺れる味噌汁の澱みの表現に強く心を動かされて、

この美しさを求めるような人生が送りたいって確信したんだよね。

これって、漆が醸し出す静かで優しい、こっくりとした温かさを

なんだか身近に感じて、こんな安らぎとなる存在に共感したのかもしれない。

 

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なーーーんて、自然から生まれるものが与えてくれる感動とか着想って、

とんでもない自分と出逢わせてくれたりするのです。

 

やっぱり、民藝が、工藝が、ものづくりが大好きだぁ♪♪