自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

ものづくりは無の境地

現在取り組んでいる編み組細工についての進捗報告です。

一番初めの課題として、山に入る際に山菜や収穫物や道具を入れるために

使用する「スカリ」を応用したバッグを作ります。

 

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最近では、材料としてビニール紐を使ったりします。

これもこれでカラフルでカワイイ♪

 

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こんな感じで腰に着けて使用します。


編み目の間がざっくりしているのにも意味があり、

山の中を移動している途中に、収穫した山の幸からこぼれる種や胞子が

編み目の間から落ち、次なる季節の恵みへと繋げるためなのだそうです。

なんと。お花と蜂の関係みたい。植物と人間の共存です。

 

 

土台となる縄を綯い→底を編み→立ち上げ→口紐付け→取っ手付け

という工程です。

 

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縄綯いした経糸に、ヒロロやモワダを指で縒って編み込んでいきます。

 

 

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昨日やっと立ち上がりまで到達しました。

大体ここまでの工程に7日ほど掛かりました。

目が跳んだり、形がゆがんだり、はじめてなので試行錯誤です。

何度も何度も繰り返すことで、締め具合や縛り具合を手で覚えていきます。

 

 

一目ひとめ、息を吸うのを忘れてただひたすらに手を動かす。

首に痛みを覚えてはっと顔を上げた瞬間、窓の向こうの緑の濃さに、

焦点が合わずにしばし呆然としたり。

 

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繰り返し繰り返し、同じ作業を続けていくのですが、

何を考えているのですか?

と、自分も良く工人さんたちに質問をしましたが、

実際に自分がやってみると、ただただ、目の前にある、手元にあるものに、

ひたすらに向き合っているだけなのです。

 

 

そう、「無心」。

自分の呼吸と、手元の感覚。

ただこれだけの、時間。

 

 

これって「禅」の境地と似ている気がします。

今ここにある自分を感じ、放つこと。

今までの自分が苦手で、掴みたかったものなのかも。

いいなぁ、、ものづくりは^^

 

 

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各自黙々と集中です。

単調な手作業が続くので、ご飯のあとは眠気が。。

そんな中、先生が三島町の昔話をご披露くださいました。

浅岐集落のお隣、間方集落(まがた)のかしゃ猫伝説


会津の方言と温かい抑揚が心地よい、

まさに人柄が流れ込んでくるような語り口です。

三島町にはどうやら100近い民話が受け継がれていて、

現在それらを本としてまとめているそうです。

今まではすべて口承なのですよ!それがすごい!

三島町語り部サークル「ちゃんちゃんこ」という団体があるようなので、

私もひとつは語れるようになりたいな~。

 

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アカデミーのカリキュラムは、「やらなければならないこと」ではなく、

「楽しくやる」ことが大きな目標でもあります。

義務でもなく、仕事でもない、マイペースに、やりたくてやる、欲求

だから、正直いくらでも集中できるし、疲れもとても爽やか。

私にとってものづくりは、究極の、自分との対話の時間な気がします。

 

 

ところで、

ものづくりも、農作業も、とりあえず休憩がすごく大事。

そのたびに大量のお菓子とお茶。いや、食べなきゃいいんですがねぇ…

そして、移動は車。


そうなのです、こちらに来てから圧倒的に運動量が少なくなりました。

いや、会社勤めのときもたいして活動してはいませんでしたが、

それと比べても歩行数が激減しています。

これは、やばい。

 

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ということで、ゆるゆると、朝のお散歩と夕方のランニングをはじめています。

かしゃ猫伝説の由縁、お隣間方集落まで往復で8.6km程です。

行きは登り、帰りは下り。程よい山道を、歩いたり走ったり止まったり。

 

毎日毎日、山や川や空気が違います。

 

なんだか甘い香りがする・・・

土肌の色が濃くなった・・・

水量が増えて川が騒がしい・・・

山が呼吸している・・・

 

大自然の息遣いが、直接体の中に流れ込んできます。

毎日が自然と一体の暮らし。さて、明日は何が待っているのか楽しみです♪

 

 

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 三島町いち工人が集まる間方集落の畑の支柱は、皮を剥いた山ぶどうの木です!

 

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さり気なく毎日のランニングを見守っていただいている道祖神さま。