自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

働き方モデルとしてのお百姓さん

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パラレルキャリアというあり方が注目されています。

私も、都内でOLをしている頃からずっと注目している働き方でした。

その究極が、お百姓さんなのではないかと、三島町で出逢うたくさんの

工人さんから感じるのです。

 

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工人さんはすでに高齢の方が多いのですが、

みなさんお勤めもあり、ものづくりもして、畑も田んぼもされ、

趣味に家族に、大変忙しく充実した日々を過ごされています。

 

いくつか分野の異なる役割を並行してこなしているので、

大変要領が良く、ものすごくマルチに活動をされています。

大体のことは、自分で考えて、今までの経験を駆使して、

集落の人と協力して、何とかしてしまいます。できてしまいます。

お金がなくても、ものがなくても、知恵と経験から大体のことは

自分たちで何とかしてしまいます。

これ、すんごいことだと思うのです。。

最強に、自立している姿、なのではないでしょうか。。

 

自然やご近所との都合を自ら調整し、作業量を調整し、

無駄なく無理なく程よく働く。

以前も書いたように、作業の合間にはしっかりがっつり休憩もします。


そして、いつでも、なぜか、完全さすけねぇ(会津方言で「大丈夫だ」)の、

圧倒的な余裕を感じます。

いつでもとても気持ちが良く、清々しい明るさに満たされているような気がします。

 

 

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経済的には、首都圏と比較すると格差があります。

しかし、焦っていたり、追われていたり、彷徨っているようなことは感じられず、

日々が平穏で平凡で、程よい緩やかな幸せに満たされているような印象なのです。

なぜなのでしょう…

 

この集落が限られた環境であり、ないものが沢山あることを十分に

認識しています。

だからこそ、「あるもの」に全身全霊で向き合い、委ね、語り合い、

その良さをとことん遊びつくしているのではないか、と感じることがあります。

 

もしかしたらそこには、望んでも手に入らないものへの憧れや、

諦めが込められているのかもしれません。

しかし義務なのか、任務なのか、趣味なのか、畑や田んぼ仕事に取り組む姿は、

すでに何年も何年も繰り返す作業のはずですが、

好奇心と挑戦に満ち溢れているように見えます。

 

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自然が相手だからこそなのか、体力的には厳しい作業もありますが、

自然と自分と会話をしながら、ひたすら実験と挑戦を繰り返す。

農作業についてのやり取り、草花や生きものについて説明してくださる際の

表情や声、目は、本当に輝いています。

ああ、ステキだなぁと、話していて心が穏やかになれるのです。

 

 

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お隣のご主人が、鳥よけのために木を掘って作った鷹。

ずっと都市部で働いていたそうですが、4年前にお父様がなくなったことを

きっかけに帰省し、様々な教本を頼りに独自の実験を繰り返して

野菜作りをしています。

 

 

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夕顔を乾燥させたものを細工して作ったサンショウウオとカジカカエルの合いの子

 

 

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朝採れのたくさんの筍

 

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秋にたわわに実るマツタケ(写真)と、その保存加工物をいただく

 

 

二枚目の名刺、というように、本業以外での自分の居場所や能力を活かす場、

人と接する場を見つけることや、これからの働き方としていくつもの仕事を

掛け持つあり方が求められる現在。

 

自分が好きなこと、心地よいところ、一緒にいたい人、

うまく選択して、バランス良く生きていける人間になりたいなぁと、

工人さん、お百姓さんから学び、尊敬する最近です。