自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

山ぶどう採取

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703100857j:plain

栗の花が咲きました。中央白っぽい木が栗です。


例年6月中旬~下旬の2週間弱、栗の花が咲く時期に山ぶどうの皮を採取します。

今年は気温が低い日が続いたので、2週間ほど時期がずれました。

以前報告したクルミの皮と一緒で、この時期を逃すと皮が剥けにくくなるようで、

貴重な短い採取時期になります。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703101424j:plain

 

編み組細工の素材採取の繁忙期です。

この時期三島町のたくさんの工人さんたちが、山に材料採取に入ります。

工人さんたちはそれぞれご自身の山や自分の採り場があるようで、

各自ガシガシ奥深い山に入って大量に採ってきます。

場所は山菜やきのこと一緒で、それぞれ秘密のよう。

熊が一番活発化する時期と被るのですね(笑)

巨大な熊鈴を付けて、身体に蚊取り線香を括り付けて、

合羽にヘルメットに長靴に、完全防備で山に挑みます。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703101300j:plain


山ぶどう採取はじめての私たちは、ベテランの先輩たちに同行されて

梅雨らしい雨が降る中、三島町林野庁から許可を取っている

猪苗代近隣の国有林に行ってきました。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703101224j:plain


山ぶどうは蔓なので、杉やブナなどの巨木に絡まって垂れ下がっています。

秋には山ぶどうの葉が赤や黄に紅葉するので、

それを見て場所を確認し、材料採取に向けてアタリをつけておくそうです。

山ぶどうにとても良く似た姿で、小桑(サルナシ)の蔓がたくさんあり、

遠目からは判別ができませんでした。

近くで見ると、外皮が剥がれて黒く老け込んでいるようなものが山ぶどうです。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703102124j:plain


いやいや、山登りとか好きだけど。そんなんじゃないwww

道なんてない、かなりの急斜面の藪と樹木の中をかき分けて探します。

斜面はズルズルバシャバシャゴワゴワだし、藪はザワザワビンビンザクザクだし、

あるがままの自然。山の中。なんて気持ちいい!!

土と岩と樹と草と水と虫と獣の世界に、

僭越ながらお邪魔させていただいております。という感じ。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703102235j:plain

 

採取する山ぶどうは、直径5㎝くらいの太さから。

編み組細工に使用するのは、蔓から剥がした皮の部分です。

見つけたらまず、根元の皮にちょっとだけ東西南北の方向に切れ目を入れて、

皮が剥けるかの確認をします。(日が当たらない部分は剥けないこともこともある)

 

山ぶどうは一度蔓を切ってしまうと、編み組細工の材料として使えるように

成長するまで10年以上かかります。

材料として適した状態かを十分に確認して、つるんと剥がれてこなかったり、

まだ早いようであれば来年以降に見送ります。

 

時期が合っていないと、編み組細工にしても、時間が経ってくると

皮がポロポロ剥がれたり、収縮したり、切れたりして、劣化してしまうそうです。

いい素材を採取しないといい作品はできません。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703102430j:plain

 

切れ目を入れたところから、ぽたぽたと勢いよく水滴がこぼれます。

もし山で遭難して水が必要になったら、ここから調達できます。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703102400j:plain

 

頃合いの蔓からできるだけ長く皮を採取できるよう、鎌を伸ばします。

5m~8mくらいまで伸びる長鎌を使用するのですが、

これがすっごく重くてバランスが取りにくい。

持っているだけで息切れしてしまうのです。

 

下に引っ張るだけでは切れないので、鎌を蔓に巻き付けるように引っかけて、

勢い良く下に引きます。

一本切り落とすだけですごい体力消耗(笑)

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703102840j:plain

 

落とした蔓の根元をのこぎりで切り、一番外側の黒っぽい外皮を剥いていきます。

外皮は編み組細工では使用しませんが、

外皮を縄綯いして編み込んで作ったポーチやバッグを作る方もいます。

こっくりとした黒い艶が美しい、素朴な印象でした。

使おうと思えばなんでも材料になるのですね~。やっぱり工人さんすごい。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703102747j:plain

 

外皮の剥けた状態から、皮が均等な幅になるよう3~4等分に裂いていきます。

できるだけ均一な太さで長く皮を剥きたいので、枝分かれの瘤部分で割れないよう、

注意深く力を調整していきます。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703102807j:plain

 

コツは手を外側に向けて剥くのではなく、なるべく蔓側に沿って剥がしていく

というイメージです。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703103013j:plain

 

瑞々しい皮肌が美しいです。

この皮を日陰で乾かしていくと、だんだんしっとりと、深くて優しい

こげ茶色の木肌色に変化していくのです。楽しみだ~♪

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703103104j:plain

 

来週にかけてしばらく山ぶどう採取の予定です。

ハードワークだけど、ステキな山ぶどう細工が作れるように、

材料採取がんばるぞ!!

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703103143j:plain

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20170703103502j:plain


みなさまおつかれさまでした^^