自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

樵(きこり)

先週は三島町も大雨が降りました。

家の前を流れる大谷川も、ゴーゴーと激流になっていました。

 

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さて、山ブドウのシーズンは待ってくれないので、

そんなのお構いなく、連日山に入っていました。

大雨警報とか出ていたような・・・

 

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先日の山ブドウ採取は、材料採取ベテランの工人さんに同行させていただきました。

そして今回は、建材会社であるアイパワーフォレスト㈱のスタッフの

みなさまとご一緒させていただきました。

毎日何本も木を切り倒している山の達人さまたちの山仕事は、

編み組細工をしている工人さんとは違ったやり方と哲学がありました。

 

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山ブドウの皮採取はもちろん、今回は木の樹皮採取が目的です。

アイパワーフォレストさん管理の三島町内の山なのですが、

どこもかしこも山で、連れて行っていただいたのがどこだかわからない(笑)

途中から戦車みたいなキャタピラの付いた山のタクシーに乗り換え、

急斜面をがたがた進んでいきます。

途中で親子連れの大きなくまさんの足跡を見つけたり…

 

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「こんな木肌が欲しい~」とリクエストすると、

山の達人たちがバンバン木を切り倒してくれます。

山桜、シナ、キハダ・・・

元からの原生林はそのままの状態で生き続けますが、

一度人の手が入った里山は、定期的に間伐をして、植生を管理して

メンテナンスをしてあげないと荒れ放題になって死んでしまうそうです。

地面まで陽が当たらないと低木が育たず、それを餌にする獣も食べ物を

求めて人里に降りてくるようになります。

人間と獣の程よい距離感を保つためにも、山の管理はとても重要です。

 

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木が立っている方向と枝ぶりなどを見て、重力に従って自然に倒れる方向を

確認します。

まず倒す方向から水平にチェーンソーを入れ、貫通させずに少し接続部分を

残して刃を抜きます。次に、その切れ目と交わるようにちょっと上から斜めに

切れ目を入れ、幹が三角に抉れるように、倒れる際の受け口を入れます。

受け口の反対側に残した接続部分に、少しずつ追い口となる切れ目を入れて

いくことで、安全に慎重に木が倒れるのですね。なるほど。

(言葉で解説しても良くわからないので、ここら辺を参考にしてください)

 

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直径70㎝くらいの大木の表面に切れ目を入れて、樹皮に沿って剥がしていきます。

良く水分が上がっているので、パキッとつるんと剥けます。

 

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染色や漢方薬などでも使われているキハダ。

なんて鮮やかな黄色!

普段は見えない木の内側に、こんなに美しい色が潜んでいるなんて!

うわぁ~うわぁ~~~!!

どこでどんな色と出逢えるのか、もうワクワクが止まらないですね~。

キレイに乾かしてまっ黄色に染色しよーー^^

 

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山の達人たちの山ブドウの採取は、工人さんたちとは違います。

地面から長鎌を伸ばして採るのではなく、木に登って上から切り落とすのです。

なんと!

と言うか、普通の人は木に登れないしww

 

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体重を腰に巻いたロープに預けて、靴の内側に着けたスパイクのようなものを

木に打ち付けながら、スルスルと地上10mくらいのところまで

登って行っちゃいました。

コツは道具を全力で信じる。とのこと。

これはぜひやってみたいですな~。

運動神経ない自分が一番できなそうなことですな~。

 

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地上で持ち上げるだけで息切れしちゃう長鎌を、10m以上木の上で振り回して

蔓を落とすのですよ。

いやーカッコイイですな。

 

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1本の山ブドウからこんなに大量に採取できました!

この方々は山ぶどう採取は本業ではありませんので、

普段はわざわざこんな手間かけて採ることはしないようですが、

もし木が登れたら、高齢化が進んで材料採取が難しくなる今後、

ひとつのお仕事になるかと思いました。

 

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ランチは大雨の中でサンドイッチ(笑)なんてワイルドピクニックww

ずぶ濡れになった大仕事の後は、温泉に入ってみんなで打ち上げBBQでした~。

 

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建材資源として木を切るだけではなく、長い目で山と人の関係を考えて

計画的に木を切って、里山を整備していく樵のみなさま。

アイパワーフォレストのみなさま、ありがとうございました!