自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

自然と獣と自分の関係

しばらく更新が途絶えておりましたが、

わな猟の資格試験に向けて勉強(仮)をしておりました。

新しいことを学ぶのは、本当に楽しい♪

見たことない世界や知らなかった情報が入ってくると、

どんどん目の前の世界が豊かに、愉快になっていく!

 

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私の実家の後ろは動物公園です。

アライグマ、キツネ、タヌキ、ウサギ、リス…

どれも可愛らしい姿で檻の向うにいて、一緒に育ったお友達のような存在でした。

浅岐集落で生活を始めると、その動物たちがすぐ隣にいるのです。

朝起きたら、畑に植えたばかりの苗が全部食べられちゃっていたり、

ジャム作りに狙っていたたわわに実った桑の実の木がバッキッバキに

荒らされていたり。

 

全国的に鹿の増加、熊の被害の増加、外来生物による生態系の変化などが問題に

なっています。最近は会津若松の市街地での熊目撃情報が話題になりました。

一方、その駆除をする狩猟者の高齢化と減少も問題です。

 

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なぜ私が狩猟に興味を持ったのかというと、

被害に頭を悩ませている!獣を狩りたい!町に貢献を!

などという大層なものではないのです。スミマセン。。

ただ、この山深い東北の自然の暮らしの中で、

昔から残る文化としての「マタギ」や「狩猟」の文化を知り、

自然と獣と人間の関係性について、生命をいただくということについて、

その中で自分が生かされている事実について学びたかったのです。

ビビりだから、果たして自分で獣を捕れる勇気があるのか大変微妙ですが、

資格があることで、この三島町にいる、三島町の豊かな自然の中で鳥獣と

向き合ってこられた山の大先輩方々から、貴重なご意見や情報、体験談や哲学、

自然と人間のこれからの在り方について教えていただける機会となるのでは

ないかという期待があります。

まぁ、知識や経験はあるに越したことはないという元来の好奇心から、

その興味をこっちに来た頃つぶやいていたら、あれよこれよと

三島町猟友会の方々に誘われて受験することとなりました。

やりたいことはとりあえず口にしてみるものですね。

タイミングと勢いが、あるべき方向に進ませてくれるもののようです。

 

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受験までを簡単にご紹介しときます。

まず県内で開催されている講習会に出席します。

ここで分厚いテキストをいただくのですが、その中から試験に出題される

ポイントを大体教えていただけます。

あとから別教室で受講していた方に聞くところ、

担当する先生によって結構ムラがあるようです。

私は正直、先生の方言が強くて、何を説明しているのかわからない部分が

多々ありました(笑)。

県内全域から参加者がいるので、150人以上は受講していたような印象です。

法令、猟具、生態等を中心とした知識試験と、

わな道具の使い方と獣の判別の実技試験があります。

講習会で指示されたポイント部分を読み込んで、例題集をやっておけばほぼ大丈夫。

半分以上はすでに猟銃免許を持っている狩人?マタギ?風情の

屈強なおじさま方なので、わなが別資格が必要となること自体

違和感ある人が多い様子。

なんとなく、勢いと諦めと運を信じて、

体当たり受験をしているような方々がちらほら…(笑)

 

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東北中心の文化のひとつであり、自然との調和を保つために山を診る「マタギ」。

厳密には、熊捕りを生業としているマタギは現在ではいません。

猟友会の鉄砲撃ちとマタギは方法や精神性も異なりますが、

自分が狩猟に関心を持った視点と近い部分があるのかなぁと感じた出逢いが、

試験前にありました。

 

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お隣の金山町に住む、映画の主人公になったマタギの猪俣昭夫さん。

映画「春よこい」

マタギとして熊を捕る傍ら、日本ミツバチの養蜂に取り組まれています。

 

 

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「藪が大切なんだ。」

 

 

熊は様々な果実や木の実を食料として山を歩き回り、

日本ミツバチは様々な花を渡り飛んで花粉を交配させます。

熊のおかげ、ハチのおかげで植生が豊かになり、里山の生命が繋がれる。

里山には色々な草や木が生えているのが当たり前であり、

たくさんの草木が一緒に作り上げているのが自然のあるべき姿。

雑多な草が混在して生える藪のような、くまとハチが作る多様性に溢れた自然。

そんな自然の摂理に導かれ、山へと入り、獣と、虫と、植物との

共生の姿を求めておりました。

 

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高校生くらいの頃から、夢見ていたグローバルに活躍したいという

漠然としたイメージ。

もしかしたら、それはただ舞台を海外に向けていただけで、

本当に望んでいたのは、(自分自身が一番認めたり、受け入れることに苦労した?)

どんな個性も、どんな考えも、どんな生き方も、どんな幸せも、

どんな価値観も尊重できるものであり、多彩で、多重で、多層な、

多様性に富んだ豊かな社会に貢献できるような自分になりたかった

ということなのかもしれない。。

なんだかすごくでっかくてかっこよいようなこと言っちゃってますが、

熊やハチが自然環境の中でしている「日常」が招く「豊かさ」に、

自分の夢を重ねてみたり。

多様性がぐんぐん育っていけるような、たくさんの可能性やきっかけを生み出し、

伝えられる自分に、なりたいなぁ。

 

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そんなこんな出逢いを話していると、不思議と現れるのが三島町のご縁。

毎日お世話になっているバスの運転手さんも、くま撃ちで、

お庭に巣箱がありました。

 

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日本ミツバチが浅岐の山から集めてきた百花のはちみつ。

(レンゲ、トチ等単種のはちみつは西洋ミツバチの特徴で、

日本ミツバチはほぼ、どんな花の蜜でも集めたブレンドです。だから甘さが濃厚!)

少し前に咲き乱れていたあの花も、あの花も、あの花も…

く~~~っっっ!!なんて甘いシアワセ^^

 

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試験からの解放を祝ってアカデミー同期がホットケーキを作ってくれました♪

たっぷりのはちみつをかけて頬張りながら、千秋楽観戦。

 

連日続く大雨が明けたら、いよいよ夏本番~。

 


<関連図書紹介>

猟師の肉は腐らない 新潮社 小泉武夫

2011年以降ゆるい自給力向上活動をする中での出逢い。

狩猟に興味をもったきっかけの本です。

自然と暮らしとマタギの関係がとても面白い、刺激的な一冊でした。