自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

会津桐箪笥

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現在は、編み組細工で有名になっている三島町

実はかつて、ものづくりの中心は桐でした。

桐の里三島町として表明しているように、会津桐の産地です。

雪が深く、温暖の差が大きなこの地域の桐は、繊維が引き締まった

丈夫で繊細な樹の特質があるそうです。

 

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私たちが日々活動をしている生活工芸館の隣にある、

会津桐タンス株式会社さんを見学させていただきました。

TOKIOが出演している鉄腕DASHという番組で、

直径3mの桐ブーメランを作ったのがこの会社です。

 

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桐と言えばの桐箪笥。

軽くて、湿気や虫、火気にも強く、木目が美しい総桐箪笥は見事です。

(お値段も見事です…)

かつては女の子が生まれると桐の樹を植え、お嫁に行くときには桐箪笥にして

花嫁道具として加工されていました。

 

 

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使う桐は、3年以上天日干しにし、雨や雪に晒して灰汁を抜きます。

銀色っぽくなっているのが、使用を迎えた桐。

 

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時期を迎えた桐を、2週間以上お風呂(水)の中に浸け込みます。

箪笥はすっすっという真っすぐで狂いのない開閉が重要。

桐の端材(贅沢~)を燃やした熱で桐板を温め、

強く押すことで曲がった板を真っすぐにするための圧縮機械です。

 

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真っすぐにして、十分乾燥させた板を製材していきます。

実は桐箪笥って、板の中は杉や発泡スチールなどがサンドされているのが

一般的なのだそうです。

 

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桐板の間に挟まれているので、持ち主も見る機会は滅多にないため

気付かない部分です。

三島町の桐箪笥は、その間に挟む素材ももちろん桐。

だから「総」桐箪笥。

木目の縦横を交互に、丈夫な敷板を作ります。

 

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箪笥は扉がいのちなので、なるべく木目がずれないように表面を出していきます。

接着はもちろん木釘です。

なんとも丁寧なお仕事。

ほぼオーダーで作っており、ひとつの箪笥が完成するまで

1か月半かかるそうです。

現在は桐箪笥だと年間40棹ほどを出荷。

 

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桐職人さんは4人。

箪笥以外にも、桐で作ってほしいとリクエストがあったものは

随時取り組んでるいるそうです。

最近では着物を着る人が減ったり、洋式建築に移行していることもあり、

桐箪笥の需要はかなり激減。

 

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現在編み組細工をされている工人さんたちの中にも、

かつては木工を中心にものづくりを行っていたという方が結構いたりします。

生活工芸運動も、木工が精力盛んに活動していたことが

始まりだったりするそうです。

 

三島町の豊かな自然から生まれる美しい桐の樹。

日本の風土の中、日本の文化の中で大切に活用されてきた桐材。

このまま縮小するにはもったいなすぎる優良木材な印象です。

この活用、かなり可能性を秘めている気がします!!