自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

課題を提議してみる

三島町編み組細工の工人として、3か月時点で感じた課題について、

ちょっとまとめてみようと思います。

と言ってもまだたった3ヶ月なので、見えていないところも多いはず。

 

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伝統工芸にも指定されている三島町の編み組細工は、農村生活から生まれた

「生活工芸品」のため、それを専門とした「職人」がいないという特徴があります。

編み組細工に携わっている工人さんはたくさんいますが、

それを生業として、専門の職業としている人はほぼいません。

農作業が暮らしのメインにあり、その中でこれだけの工人さんを抱え、

活性化してきた文化であることはすごいと思います。

しかし、そのため「産業」として確立していないという実情があります。

携わる工人さんたちの編み組細工との距離感や向き合い方に

温度差?スタンスの違い?があるような印象なのです。

趣味として、ダブルワークとして、頼まれとして、

それぞれがそれぞれのペースと工程と技術で、個人的に

作っていることが多いという面が見えてきました。

 

平均年齢は70歳前後(推定)の現在編み組細工を担う工人さんたちにとって、

これから先、10年後の編み組細工への見通しについては、全体的に

ちょっと関心が薄いような気がします。

(もちろん問題視している工人さんもたくさんいます。)

 

今の生活の中での編み組細工との関りは、楽しく程よく、

山ぶどうのバッグもマタタビの米研ぎ笊も需要があるため、

山から素材を採るだけ採ってきて、作って売る。

それぞれが個人で取り組む三島町の編み組細工の未来について、

環境保護や素材作り、技の継承や編み組細工の発展について

どこか「無関心」な部分があるのかなぁという印象があります。


その課題に対して、工人さんたちで構成される生活工芸運動友の会では、

今までの採取で減少している編み組細工の材料の育成実験を始めています。

今まで必要となる分を採取し、先のことを考えて素材を育てることをして

こなかったため、三島町の山から素材がなくなってきてしまっている

(特に山ぶどう)という現実があります。

皮肉なことに、素材減少の原因は、現在の工人さんでもあるのです。

 

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山ぶどうを接ぎ木で育成中。

2016年11月に植えた木から芽が出ていました。

また、生活工芸アカデミー制度の開始による後継者育成もそのひとつです。

 

 

編み組細工の持続的な未来を考えると、

今後はさらに長期的な展望を持って向き合うことが重要です。

生活工芸アカデミー制度の設立も含め、三島町が編み組細工を中心に

地域創生を目指すにあたり、このあり方を見直していく

必要があるように感じました。

 

 

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