自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

山ぶどう制作開始

 

クルミの立ち上げを2つ終え、ついに山ぶどうに入りました。

山ぶどうの籠は最近人気があり、「山のヴィトン」と呼ばれています。

使えば使うほどに、いい風合いに黒い艶が浮かび上がり、

まさに大切に大切に時間をかけて「育てる」バッグです。

 

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先日の材料採取の際にも報告しましたが、険しい山に入って

材料となる山ぶどうの皮を採ってくる作業はとても大変でした。。

現在作り手となっている工人さんたちも高齢化が進み、

体力的にも山に入ることが難しくなってきていたり、

人気の影響から需要が増え、材料の生育が追いつかない状態になっています。

そのため、三島町産山ぶどうで、高度な伝統的な技法で作られている

ものは年々値段も上がり、希少な商品となっている傾向。

 

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一流の技を持つ伝統工芸士さんから、その技術を直々にご指導いただきます。

材料の準備については、多数いる三島町伝統工芸士会の会長を

務められております青木基重さんです。

「イイモノができて当然」のお言葉には、ちょっとしたプレッシャー(笑)

 

 

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一番基本的な材料の幅揃えから。

何事も、下準備が大切です。

この材料の下準備の良し悪しで、完成した時の仕上がりが決まります。

 

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編みひごとなる山ぶどうの皮を鞣して、ひとつひとつ同じ幅(今回は7mm)

に切り揃えていきます。

材質がクルミより肉厚で、蔓状なので節もたくさん入っています。

繊維に沿って切っていくことが大切なので、くねくねとした曲線に

均一な幅で鋏を入れていくのは大変。

 

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また、外皮(くそかわっと呼ぶ)が何重にもついているのを

丁寧に剥がしていきます。

作業としては単調なのですが…ひとつひとつ表情の異なる自然素材を、

皮の状態、色合い、繊維の向き、長さなどを吟味しながら

使える素材を選別していくだけでも結構な労力。

ひとつの籠を作るために材料を揃えるのにかかった日数は合計7日。

なんとまぁ。

 

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特に今年は雨の日が多く、湿気との闘いでした。

山ぶどうに限らず、編み組細工で使用する素材は山から採ってきた

自然素材なので、乾燥させて状態良く保存したいのですが、

栄養満点の自然素材はカビの繁殖環境にも最適(笑)

 

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自然から切り離してからも、まだ強烈に生命の残り香を纏う素材。

素材のひとつひとつをよくよく観察し、対話して、

素材が持つ一番のいいところを惹き出す。

私が長年嗜んできたいけばなと同じだなぁ。。

できあがった作品は、まさにその時の自分の分身(=花体)。

 

初めから完璧は求めないけど、今の自分の、精いっぱいの籠が

作れるようにがんばります!