自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

正確×性格

山ぶどうとくるみのバッグがついに完成しました!!

途中色々な作業が入ったり、先生をしていただいた工人さんの都合があったり、

ちょっと時間がかかりましたが、ついに初作品の完成です。

 

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まずは山ぶどう。

一番基本的な網代編みです。

素材選びから幅揃え、強く編み目を締め、真っすぐ立ち上げ、丈夫に縁を巻く。

好きな方向に曲がり動く(言うことを聞かない)山ぶどうと戯れながら、

なんとか形に納まった、というところでしょうか。

これから大切に大切に、いい艶を放つように育てていきたいです。

 

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くるみ①

全面と取っ手部分を表の白地で、縁は裏の黒地で。

カジュアルで一番普段使いしやすそうな配色です。

 

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くるみ②

縦を黒地と白地交互、横を白地で、縁と取っ手は白地で。

ちょっと黒が入ると、遊び心のある表情が出てきます。

 

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くるみ③

縦も横も白地と黒地を交互に編み、縁と取っ手は黒。

ポップな柄が入りました。ちょっと小さ目サイズだし、

シンプルなお洋服と併せてアクセントにどうだろう。

 

くるみは表と裏の色の違いで、色々なデザインへの応用が可能なので、

色々挑戦してみるのが楽しい♪

内布も、木綿や麻などを取り入れて、用途を考えながらそれぞれ選びました。

どれも着物で楽しみたいなぁ。

 

 

 

 

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「センス」とか「感性」とか「技術」とか、ものづくりにはいわゆる

抽象的なものの影響が強く反映してくるように思っていました。

しかし一方で、合理性や正確性のようなものが、作品の完成度に

強く表れてくることが見えてきました。

 

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バッグのかたちを整えるための木型を作るにも、

ミリ単位での製材が欠かせません。

面と面、角と角がぴったり合わないといびつな型になってしまいます。

 

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バッグの内布も、数センチ、数ミリずれるとうまく縁のサイズと合わずに

歪んでしまいます。

 

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フリーハンドで鋏で切って揃えた山ぶどう材も、

編んでる間に数ミリの差が積もって、

後半に高さを揃えるための調整に苦労しました。

 

 

機械でない手作りなのだから、画一的な、均等なものは味気ない。

でも、しかし、どうやら、私が惹かれる「美しさ」には、

単位ではない正確性のようなものが、すごく計算されて作られていることに

気が付きました。

それは、やはり、長年の経験から編み出される完璧な計算であって、

堅苦しい機械的な計算とは違った、なんというか

それこそ「センス」や「感性」の計算なのあります。

うーーん、矛盾してる?笑

このような技術を、職人と呼ぶのだと思います。

いや、はや・・・

計量とか整理とか、あまり得意でない自分が到達できない何かを感じてしまう

場面です。。

 


もうひとつの学びは、ものづくりに関わる表に出てこない人たちの存在。

三島町の編み組細工は、自分たちで材料を採って暮らしに必要となるものを

作ってきた民藝の面が強いですが、伝統工芸品になった現在、

完成までの工程で分業されている部分もあります。

もちろんすべてを自分でやる方もいますが、

工人が高齢化したこともあり、材料採取を担う人、木型を作る人、

内布をつける人…たくさんの人の手が入ってひとつの作品が完成しています。

 

主に編み手の名前を背負って世に出ていく作品の裏には、

表には出てこない部分的な作家さんの存在があり、それぞれの特技や

個性が加わって、さらに良い作品として生まれていることは、

編み組細工に関わらず、手にするすべてのものの面白さでもあります。

何事も、裏で支えてくれる存在のありがたさなくしては完成しないのですね。

 

 

さてさて、まだまだ始めたばかりで基本すらもままならない状態ですが、

得意なところと苦手なところを見極めて、無理なく楽しい、私らしい作品が

生まれていくことが楽しみです♪