自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

しめ縄作り

師走です。

若葉がキラキラした頃に三島町で始まった生活も

あっという間に7か月が過ぎ、新しい年を迎える時期が近づいているのですね。

ということで、お正月に向けたしめ縄作りに参加してきました。

 

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しめ縄の素材って一般的には稲藁が多いようです。

神事では神聖だとされた精麻(大麻草の繊維)が使われていたりしました。

しめ縄はご当地色が強そうですが、ここ会津の地ではヤマスゲで作ります。

ずっと、お正月に飾るのにどうしてあんなに青々しているのだろ~?と

不思議に思っていたのですが、ヒロロ細工の素材とするミヤマカンスゲと

同種のヤマスゲを、それこそヒロロと同じ時期(9月)に収穫し、

天日干しすることで、青々としたきれいな緑色の状態で乾燥ができるのです。

 

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このヤマスゲ、実は7月に作った笹巻きを作ったときに使用していたのです。

(写真一番奥の束)

もち米を笹で包んで、三角に巻くときに使用した紐代わりのものがヤマスゲです。

長さが1.5~2mくらいあり、緑の発色もきれいでハリと艶があります。

 

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まずは、しめ縄の真ん中に膨らみを出すためのあんこを作ります。

乾燥したヤマスゲを霧吹きで湿らせたものを、タコ糸で両先細りにまとめていきます。

 

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ひと掴み強のヤマスゲの根元を束ね、3つの束に分けます。

2本を手前に縒りながら「左綯い」で編んでいきます。この左綯いがポイント!

いつも取り組んでいるヒロロ細工の綯わないは右綯いです。

古来から左は神聖で右は日常とされてきたことがあり、

お正月のしめ縄は特別で、左綯いをして、飾る時も神様から見て

左側に根元を向けて飾る(人から見たら右側に根元)ものだそうです。へ~。

 

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真ん中の一番膨らんでいくところに、うまくあんこを包み込み編み、

3本目を始めの2本に絡げていきます。

 

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完成したしめ縄に、今度はカワスゲという、ヤマスゲそっくりだけど

もうちょっとシャリシャリした真っすぐの素材を3つ垂れ下げます。

両端に紙垂れを、真ん中には昆布と稲穂を飾ります。

お~一気に神聖感が増します。

 

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わ~なんだか強そう♪

1mくらいの立派なしめ縄が完成しました。

なるべく左右対象にできると素敵なのですが、根と頭でスゲの素材性質も

変わるので、バランスよく仕上げるのが難しいです。


年神様の依り代として、ステキな年が迎えられそうです。

 

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おまけに輪飾りも作らせていただきました。

これは同じヤマスゲを縄綯いしていく途中、七五三になるようにスゲ根を

出していき、水まわりや火のまわりに飾るものだそうです。

これ、言われないと、作ってみないと、このピンピンはみ出たのが

七五三になっているなんて知りませんでした(笑)

飾る花も松竹梅だったり橙やゆずり葉だったり、色々なところで

縁起を担いでいるのですね~。

 

 

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先日別のところで、稲穂を使った鶴と亀の作り方も教えていただきました。

わさわさふさふさと垂れ下がる稲穂がなんとも贅沢で豊かだ♪

縄綯いや編み組の技を知ると、色々なものに応用ができそうです。

だって、元は縄綯いから、草履だって米俵だって筵だって傘だって合羽だって

生活に必要なものの多くを縄から作ってたんだもんね。

昔の道具から、どんなものにも展開ができそうな予感がムクムクします。

 

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しめ縄に鶴亀に、めでたいものに囲まれて、なんだか素敵な年を迎えられそうです。

教えていただきました工人さん、ありがとうございました!