自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

刃物を研ぐ

 

 

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先日のそば笊に続き、米研ぎ笊、四ツ目笊を作りました。

うーーーん、私の笊はなんだかどうしても、柔らかい丸みが足りない気がする…

尖った自分がいるのは自覚しているけど、こうして作品で目の当たりにするのも

どうも、つらい(笑)

焦らず急かさず、緩やかに蛇行していく人間を目指したいものですな。

 

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素敵な笊は良い材料作りから。

良い材料作りのためには、よく切れる切り出し(片刃の小刀)の存在は欠かせません。

 

わたくし刃物が好きなのです。

いけばなの鋏にしろ、手芸や和紙の鋏も、アクセサリーのペンチやニッパーも、

ものづくりをしていると、工具となる刃物はパートナー。

よく切れる、手になじんだ使い易い工具の存在は、

ものづくりの幅を大きく広げてくれます。

 

満足できる作品が作れるようになるためには納得できる材料を削れるように

なることが必要で、そのための切り出しの研ぎ方を教えていただきました。

なんとなく包丁とか刃物をヤスリで研いでたり、

専門の方にお願いをしておりましたが、初めて正式に刃物の研ぎ方を学びました。

 

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先生は、生活工芸館で木工指導員をされている楽器作家さんです。

会津桐でギターとかウクレレとか作ってるのですよ~。なんと素敵な^^

木工や大工さんは刃物が商売道具なので、みなさん日常作業です。

しかし、何年も木工に携わっている方でも、どうやら研ぎの世界は

かなり奥が深いようです。

 

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基本は刃がある方を砥石に当てて、刃が平面になるように削っていくのですが、

微妙な力加減によって刃の表面が丸まってしまうのです。

これ↑は私のあまり良くない例で、丸まっているところだけが

光ってしまっています。

押すときも引くときも並行に均一に刃を当てる。これがなかなか難しい。

平らな心で、刃先に全神経を集中させる。

なんだか硯で墨をすっているいるみたいな・・・

 

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終わりが、ない。

こだわる人だと、自分が理想とする作品を作るために、

数ミクロンの調整を自分の指の感覚でするらしいです。なんてこったい。

切れるようにするだけならば、砥石に何度か当てれば、刃こぼれはなくなります。

しかし、どこまで研ぐかの終わりは、本人が決める。

もうこれでいいと思ったら終わりにしていい。

 

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なかなか納得できる頃合いで終わらすことって、難しいです。

あとちょっと何とかしたいんだよな、もう少しかな?と思って手を加えると、

行き過ぎてしまったり、やる前より崩れてしまったり、

でもやらないとここで終わりにはできないという後悔が残ったり。。

 

決断?区切り?諦め?

終わりを自分で決めることって、勇気がいることです。

潔い勇気を持てるように、精進していきたいものです。

 

さて、なんとかかんとか3時間ほど頑張って研いだ切り出し。

やる前と比べると断然キレッキレです♪

ますます材料作りがんばるぞーーー。

 

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砥石で石を削って石器を作ってみました。紙とか草とかは、切れます!

 

 

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ちなみに、工人さんの中には皮の厚い足のかかと部分に

刃を当てて皮を削る方もいます。(多くは厚めのあて布で切ります)

昔はこうしていたらしいですが、なんとも危ない気が。。。

 

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足の指を巧みに使いこなして材料を削る工人さんも。

様々な高尚な技に触れられ、とっても勉強になります。

(けど、できないし、やらなくても何とかなる。笑)

 

 

場を整え、道具を整え、心を整える。

ものづくりは成長の連続です。