自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

木ざる作り

 

雪がどんどんどんどん深くなる中、年明けから毎週土日

生活工芸館にてものづくり教室がスタートしています。

 

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みてくださいこの靴の数。

県外はもちろん、遠い方だと関西から来られている方もいました。

この編み組細工の聖地に、前が見えないくらい吹雪く中でも、

遠方からはるばる貴重な週末に泊まりがけで来るのです。

そんな「編み組好き」が集結し、それぞれの技とデザインと個性が交差し、

あっちでもこっちでも面白い出逢いが勃発しています!

なんと言っても、ものづくり教室の一番の魅力がこの出逢いだと思います。

 

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筍の皮に包んだおにぎりを持ってきている方がいらっしゃいました♪

オシャレ過ぎて、目がキラキラしちゃうううう。

 

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昨日までお互いに知らなかった多様なバックグラウンドの方々が集まり、

車座を組んで同じ目的物を作るために手を動かす。

ふとした疑問、ちょっとした協力、慣れない作業での行き詰まり。

集中を解いた時、お隣さん同士でほっと流れる笑顔と緩やかな会話が、

外は大雪なんてことを忘れさせてしまうくらい温かくて心地よい。

お互いの土地のこと、仕事のこと、家族のこと、

作品を作りながらたくさんの人の表情や思いが一緒に編み込まれているようで、

こうして出逢った感動が自分の作品の良さになっていったらいいなぁと、

そんな風に思う、すごく素敵な時間なのです。

 

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ちょっとでもご興味持った方は、初めてでもおひとりでも、

本当にみなさん温かく迎えてくれるので、お気軽にご参加ください^^

 


ものづくり教室のメインは、山ぶどう、マタタビ、ヒロロの編み組細工ですが、

特別講座がいくつかあります。

先日はそのひとつ、木ざる作りに参加してきました。

 

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木、の、笊、です。

1㎝以上の太目厚手のヒゴでざっくり編んだもので、

春たーくさん採った山菜を、でっかい鍋で煮たときの上げ笊として

使っていたそうです。

かなり野生味溢れる、武骨で逞しい佇まいがワイルドでカッコイイです。

根菜類とかゴロゴロ入れたら、きっとキラリと輝くはずっ。

 

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教えていただくのは、やはり聖地、間方の工人さん。

材料はウリハダカエデの木を使います。

(他には山漆の木を使うこともできるそうです)

11月以降雪が降る前くらいの、木の水上がりが止まった頃に伐ります。

大体樹齢20年以上、直径10㎝くらいでした。

材料を作るために、なるべく真っすぐの木を伐ることがポイント。

今回は先生が用意してくださいましたが、真っすぐ立っているように見える

木でも、割ってみると中でねじれて伸びていることが多いようで、

真っすぐの木を探すことがまず大変。

伐った木は、乾燥しないように外の陰干し(と言うか、伐り出してくる頃には

雪が降り出すので、雪の中に挿しておく)して保管します。

 

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まずは木の外皮を剥いでいきます。緑と茶色とグレーの木肌も美しい。

この外皮を編み組で織り込んで使ったりもできます。

外皮を剥いた木を、6等分くらいに割ります。

 

 

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割ったものの、真ん中部分を落としていきます。

切ったバームクーヘンみたいな状態にします。

 

 

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そしてなんと、年輪がバームクーヘン状になっているので、

その年輪部分に切れ目を入れて、一枚ずつ手で剥がしていくのです。

なんとーーーー。びっくり感動!

これが超難しい。そんなにうまく剥けないのですよ。

途中で割れちゃったり、避けちゃったり。

コツは、薄くなって割れちゃいそうだなーとなってきたら、

厚い方側から力を加えて割いていく。これです。(やってみないとわからない)

 

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割って割いてみた木肌の中身は、予想外に白くて光沢がある。

険しい自然の中に、こんなに無垢で純粋な白い輝きが隠れているなんて。

1本の木も、見えない部分に実は知らない、意外な面を控えていたりするのです。

こういうものが見えるから、ものづくりってたまらないんだよな。

楽しいなぁ♪

 

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木ざるはもしかしたら、今までやってきた中で一番材料作り時間がかかるかも。

9割この材料作りな印象。

先生の四次元ポケットみたいなお道具箱から出てくる刃物が面白い。

見たことないような、でっかいぶっといおっもい勇ましい刃物が

次から次へと出てきます。

どれも山の中で、自然の中で生きていくには欠かせない、道具。

ぶんぶん振り回してホイホイ木を切っていく先生に、悶える。

 

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剥いだ木は、編むときに割れるのを防ぐため、

お湯で茹でると柔らかくなります。乾燥してなければそのままでも大丈夫。

 

 

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厚さ(理想は)1㎜くらいに剥いだ木を、市松編みで立ち上げていきます。

山ぶどうやマタタビみたいに、キレイに幅ぞろえはしません。

太いのも細いのも多少入り組んでいるからこそ、いろんな個性が混じり合って、

荒々しくて躍動感溢れる味わい深いざるができるのです。

これこそきっと、私が愛するもの。(そういうことにしときます)

 

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縁は今回は竹を使用。もちろんクマゴズルでも素敵です。

三島町で竹は貴重です。豪雪の重みで竹は折れてしまうので、

あまり竹がないため、マタタビ笊が主流だったりすることもあります。

真っすぐ切って縁に巻き、そのうえを山ぶどうで巻いて固定していきます。

普段だったら使わないような、「腐れがな」

(「がな」は会津の方言で「もの」を指す)

の、ボロボロゴツゴツしているようなものを敢えて使います。

ワイルド感が増してイイ感じ。

 

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丁寧に、キレイに、細かく、正確に、

普段取り組んでいる編み組細工とはちょっと違う、

大胆に、荒々しく、堂々と、豪快に、

厳しく険しい奥会津の自然感を全面に醸し出す木ざる。

 

またひとつ、三島町の魅力溢れる「モノ」が生まれたね。