自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

金山町のものづくり

 

三島町、金山町、昭和村、柳津町、只見町、檜枝岐村南会津町

7町村で奥会津

 

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そう言えば、昨年末にお隣昭和村のからむし織が伝統工芸品指定となりました。

 

奥会津編み組細工で伝統工芸品に指定されているのは、三島町で作られたものに

限定されますが、他の町村でも昔から暮らしの中に編み組がありました。


各町村によって、少しずつ技やデザイン、材料や思想等も異なるようなのです。

自分の編み組細工の幅を広げるためにも、たくさんの技や経験や人や地域や情報に

触れて、良いものは積極的に取り入れて自分のものにしていかなきゃね。

と、お隣金山町のマタタビ笊作り講座に潜入してきました。

 

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三島町マタタビ細工が、逞しくて力強く野性的なのに対して、

金山町のマタタビ細工は、とっっっっても繊細で上品なのです。

ヒゴもふんわり柔らかい肌の白さや丸みがセクシー。

笊のカタチや編み方の模様が複雑なのも特徴です。

どちらがいい、どちらが優れているではなく、どちらも個性的で素敵なのです。

 

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何がその差を生み出すのか。

今回一番印象に残ったのが、金山町では編む前の「デザイン」と「計算」を

綿密に行っていることでした。

ヒゴの長さ、幅、型のサイズ、立ち上がりの角度、縁の太さ等、

出来上がりのイメージを電卓を叩いて割り出し、材料を均一に揃えてから

編み始めています。何やら難しい計算式に頭がクラクラしちゃう…

 

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材料となるヒゴの作り方も、幅ぞろえの道具が三島町とは異なっていました。

両刃のカッター刃をオリジナルで加工したもの。

切れ目がササクレ立たなくて、細い幅のヒゴが作れるのが魅力的です。

 

 

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複雑な編み方は全部図式化されており、ノートにまとまっておりました。

まるで織物とか刺繍のような図面です。

すべてご自身で編んでみて、解いて編んで解いて編んでを繰り返して

研究を重ねて編み出した図面。

 

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そうなのです。

今まで出会った正確で繊細で高度な技術の作品を作る工人さんに共通しているのが、

「観察力」と「研究心」、そして「耐久力」の3点。

そして、そのこだわりと視点が半端なく(大雑把が好きな私基準)細かい。

(そしてA型のことが多い傾向?)

 

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ぎゃーーーーーーーーー!!!

 

感覚と成り行きと勢いで、ある程度その場合わせで適当に

(そして痛い目に会うことも十分経験して知っているはずなのに…)

進めていく自分の性格から、一番遠く感じているところであったりするのです。

性格を言い訳にはできませんが、こうなれる自信が、ない(笑)

 

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絶対的に、敵いません。

と言うか、この努力は、たぶん自分は苦手。ムーリーーー。

頑張ることはできても、しんどくて続けられない。

 

と言うことは、苦しく頑張ってここを目指すのではなく、

自分が無理なく続けられる、この方々ではできない私のやり方のいいところを

伸ばしていけばいいのだ!

ストレングスファインダー参照ww)

 

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なんて、都合の良いように捉えて、前向きに編み組細工に向かいます。はい。

それでも、やっぱり、こんなに繊細で複雑で美しい笊が作れるのは目標だな。

ちょっとでも自分らしく、楽しく作れるように努力します。

 

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楽しく作ること


オシャレな作品、ステキな作品、感動する作品、心ときめく作品

三島町でも金山町でも、編み組細工以外だって、

良いモノが生まれるところに共通していることは

「楽しい環境で、健やかな心で作られている」と言うことだと思います。

 

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金山町には伝統工芸士はいません。

代わりに、「名人」と呼ばれる神業を持った方々が先生をされていました。

みなさま編み組キャリア何十年の大ベテランの巨匠たちです。

はじめましてで、しかも隣町から技を盗みに?!来たような私を、

先生を始め、参加者のみなさまも、それはそれは温かく迎えてくださいました。

質問する以前から実演解説を始めてくださる方、

ひとつの作品の苦労や想いをお話してくださる方、

ご自身が記録したメモを細かく振り返って説明してくださる方・・・

今までの経験や技術を惜しみなく提供くださる金山町のものづくり集団でした。

 

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技を盗むどころか、ちょっと一緒に作ってみた程度ではそんな簡単にできません。

名人を始め、ご先祖さまから何十年と作り続けて大成した金山町のマタタビ細工。

真似しようと始めたところで、研究熱心で粛々と淡々と取り組む大先輩たちは

どんどん次から次に新しいものを生み出していきます。

到底追いつけないよ。

 

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だから、こんなのが作りたい。こうなりたい。の目標なのだ。

持ってるものを全部教えてくれても、前を向いてぐんぐん先を進んでいく

大きな背中の工人さん。

かっこいいよね。

 

 

いつか自分も、こんな追いかけられる目標となる存在に、なりたいなぁ。