自然と暮らしとものづくり

福島県奥会津三島町2017年度第1期生活工芸アカデミーの日々を綴ります

「待つ」ことの楽しみ

 

Waiting

 

 苦手かも・・・

 

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303214424j:plain 猫アレルギーな私


確定申告の時期ですね。

三島町は個人申告が多いので、役場の担当部署の方が期間中に各集落を回り、

相談にのりながらe-Tax申請のお手伝いをしてくださいます。

それが、なんとも、たいへん、、、効率が悪いのです><

書類が整理できていなかったりで、ひとりにかかる時間がとんでもない。

10人弱の処理で、3時間弱の待ち時間。

いや、はや、卒業制作に追われる今、なんとも時間がもったいない。。

 

後程、三島町各集落を回っている役場の担当者と、

実はそんな自分の胸の内を話していると、

「三谷(間方、浅岐、大谷)の方々は、本当に辛抱強いですよ」とのお声。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303214509j:plain 凍み大根(時期が遅すぎて失敗に終わる)

 

ちょっとイライラしている自分と、黙ってただただ待ち続けるご近所さんたち。

たぶん、なかなか順番が回ってこないことに気をもんでいるのは、私だ。

「待つ」ことに気をもんで、ひとりイライラして損しているのは、私だ。

「待たされている」のではなく、ごくごく自然の時間の流れに対して、

私が、勝手に、イライラしている??

気分を害している私、ちょっとかわいそうだぞ。。

と、もしかしたら、自分の時間感覚で、ひとりで勝手に損しているのかも

しれないなぁと、気づかせていただく機会になりました。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303214756j:plain パン屋さんがないから、自分で焼くこの頃

 


スタートダッシュが大事だし、どれだけ周囲より先手がとれるかで結果が変わる。

課題を見つけたら、アイデアを思い付いたら、すぐ行動に移す。

結果がダメだったら、原因分析、再考、方向転換、再アタック。

クイック!クイック!!

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303214843j:plain 醤油麹。TKG(卵かけごはん)にオンすると最高♪



こうしている間にも、寿命に向けた生きている時間はどんどん経過している。

そう考えると、この瞬間だってなかなか貴重なものなので、

少しでも有意義に活用したいと思ってしまうのだ。

自分から行動を起こしたり、働きかけることで得られるものならば、

積極的に動いていきたいと思う。

一方で、どんなに自分が頑張っても、積極的に動いても、

どうにもならないことがあることだって、知っている。

自分ではどうにもならない事態は、運命とかいうものによって、

なるようにしかならないし、なるようになるのだ。

しかし、しかし、、、いつどうなるのか分からないことに対して、

結果を天に任せることは、なんとも無責任な気も、してしまう。

だからつい、どうなるのか分からなくても、その中で何とか今の自分に

できることがあるのではないかと探り、ジタバタともがいているのが、自分だ。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303215024j:plain 麹とふすまで発酵な、お漬物

 

1年の半分弱を雪で閉ざされる雪国山里の三島町では、

雪が降ると本当に何もできない。

動植物の動きは一切止まり、春の訪れまでの長い冬が始まる。

そういった自然環境の影響からか、土地柄か、三島町会津の人?は、

「待つ」ことに対して寛容な印象がある。

冬の間は「何もできない」ことが普通で、ただただ春の訪れを、

辛抱強く「待つ」のだ。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303215724j:plain にんまり幸せ広がる、甘酸っぱい木苺ジャム

 

地面から山菜や若葉が芽を出し、虫たちが動き出し、獣たちも目を覚ます。

風がフワフワと流れ、雲が穏やかに漂い、そよそよしゃんしゃんと

音も香りも踊り出す。

春を大変喜び、歓迎し、ものすごい活力で行動が始まる。

そんな三島町の春は、エネルギーに溢れ、感動が舞い乱れている陽気だった。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303215945j:plain 大葉は乾燥させてドライハーブへ

 

 

「何もしない」ことは、時間のロスで、「無駄」で「もったいない」時間

だという自分の認識。

「待つ時間」は、「何もしない」時間なのではなく、

その先の明るく柔らかく温かい何かに繋がるための時間だとしたら、

その「何か」に想いを馳せて、「何か」を楽しみに、

ワクワクと過ごす時間だとしたら、「待つ時間」は

なんとも豊かで楽しい時間なのだろう。

少し先の甘い未来にイメージを飛ばし、妄想を存分に味わう至福の時間。

なんとも贅沢ではありませんか。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303220157j:plain 手間をかけて灰汁出しした栃餅


年始に帰省した時に、東京で流れる時間に、

なんだか浦島太郎になったような、言葉にできない変な違和感があった。

自分だけが、ぽっかりどこか異次元の時間軸から来たような感覚。

不思議な幸福感に満たされた三島町、浅岐での暮らしに、

今まで自分が生かされてきた環境とに、何か強烈なギャップのようなものがある。

今まで形成してきた、だいぶ偏った「常識」(なんて定義はない、と思う)

からは、この時間の流れに、正直(まだ?)時々不安に駆られることがある。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303220413j:plain 川からの頂き物の岩魚さまたち

 

課題が見えて、改善点が見えて、やるべきことがあっても、

物事がなかなか進展しないもどかしさ。

 

のんびり?ゆっくり?緩やか?遅い?

 

時代のスピードに、取り残されちゃうんじゃないかと(勝手に)

ハラハラしないこともない。

なかなか見えない動きに、じれったさを感じてしまうこともある。

これで、大丈夫なのかな??

そわそわ。。ソワソワ。。。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303220624j:plain ぷくぷく、プチプチ、醸り中のお酒


先ばかりが気になって、リスクはなるべく潰したくて、

時に自分が立っているところ以外の石橋を全部叩き割ってしまったり。

だいぶせっかちさんで、結果を急ぐ短気ちゃん?な私は、

この時間の流れがちょっと怖い。

そして、ものすごい憧れのようなものがある。

「待つ」ことが自然で、待つことでしか結果が表れない時間の流れ。

これが三島町の時間の流れ(の一部)なのだ。

土地が変われば常識が変わる。

時間流れだって、当然土地に合ったものがあるのだ。

 

f:id:seikatsukougeiacademy:20180303220818j:plain ヨモギはもぐさへ、どくだみはお茶へ


春になれば、雪の下から、あらゆるものが自然と動き出す。

それを知っている、深い雪の中で暮らす三島町の人。

だからこそ、じっと、じっと、それを信じて願って楽しみに、「待つ」。

 


「待つ」ことを、楽しむ。

 

 

これって、もしかしたら、最高に人生を楽しむコツなのかも。

 

 

おーけー自分。

ちょっとスピードダウンして、「待つ」ことを楽しもうではないか。

 

 

※写真は、待つことで楽しみが出来上がる、

 三島生活で出逢ったり、満喫している発酵、加工品でした~。